剪定は、樹木を綺麗に保つために必要な管理方法のうちの1つです。
PROJECT PLANNER
庭木の剪定基本について
2020年11月16日|category「planting」
今日は、樹木の剪定について簡単にお話ししたいと思います。
樹木は生長するもの
樹木は日々生長しており、生きているものです。
春になり新しい葉が出て、夏になり、日差しを浴び、光合成を行い枝が伸び、幹が太くなります。
秋になると葉が紅葉し落葉するものもあります。
このように1年を通して、基本的に同じサイクルで樹木は生長をしています。
剪定を行う意味
必要以上に大きくなってしまった邪魔な枝葉を切るという理由から、剪定を行うことが多いと思いますが、正しい剪定には他にも嬉しい効果があるのです。
それは、
病害虫の予防のため
枝葉が重なり、こみ合ってしまい、日照不足、風通しが悪くなるといった理由から病害虫により枯れることがあります。
また、重なり合ったお互いの枝同士で、傷がつき、病害虫が侵入しやすくなってしまいます。剪定を行うことによって、これらの問題を解消します。
美しい樹形を保つため、
特に、生垣やトピアリーといった形を整えた樹木は定期的に剪定を行い、美しい樹形を保ちます。
水分のバランスを整えるため
枝葉が多すぎると、根から吸収される水分に対して、葉からの蒸散量が多く、水分のバランスが乱れてしまいます。
そのため、枝葉を落とし、吸収する量と蒸散する量のバランスを整えるために剪定を行います。
このように、樹木の見栄えと健康の双方のバランスを整えることが剪定の役割なのです。
剪定の時期
剪定の時期は、樹種によって変わっていきますが、
常緑樹、落葉樹、針葉樹で、おおよそ、剪定時期を分類することができます。
剪定する時期を誤ってしまうと、樹木にとって、大きなダメージとなり、最悪枯れてしまうこともありますので、
剪定する樹種と、時期を確認して剪定を行いましょう。
常緑広葉樹の剪定時期
1年中緑の葉をつける常緑樹は春になると、古い葉を落とし、新しい葉を芽吹かせます。
この新葉が芽吹く3月~5月頃の間に剪定を行います。(春季剪定)
また、夏の間に生長し、込み合ってしまった枝を適宜剪定します(夏季剪定)
秋~冬にかけては、葉の生長が弱まるため、強い剪定は避けるのがいいです。
エクステリアで用いる常緑樹の主な樹種としては、
ソヨゴ、ハイノキ、常緑ヤマボウシ、カシ類、(シラカシ等)シマトネリコ、ツバキ、サザンカ、サカキ、ヒサカキ、
カラタネオガタマ等です。
落葉樹の剪定時期
秋になると紅葉(黄葉)し、冬に葉を落とす落葉樹は、葉を落としている冬の間11月~3月が適期です。
落葉したら剪定していいということです。
形を整えるための強い剪定を行うのにも最適な時期です。(冬期剪定)
また、新芽がそろった夏7~8月頃にも剪定をおこなってもよいです。
エクステリアで用いる落葉樹の主な樹種としては、
アオダモ、アオハダ、ヒメシャラ、モミジ類、ジューンベリー、エゴノキ、ナツハゼ、ヤマボウシ等です。
針葉樹は名前の通り、針のように細長い葉を持つ樹木です。
マツやヒノキ、スギや、コニファー類も針葉樹に分類されます。
針葉樹は広葉樹と比べて、寒さ強いものが多く、古い葉が落ちる10~11月、と春先が適期です。
剪定する枝を見極める
美観上、樹木の健康上の観点から切るべき枝を図にしてみました。
徒長枝(とちょうし)
幹や枝から上に伸びた枝のことで、放置しておくと樹形が乱れてしまい、さらには、勢いが良いため、他の枝の栄養がいきわたらなくなる原因にもなります。
ひこばえ
木の根元からでてくる小さな枝で、放置すると、木の衰弱の原因となります。
幹吹き
幹から直接でてくる小さな枝で、放置すると、木の衰弱の原因となります。
からみ枝
枝が絡み合ってしまった場合はどちらかを剪定を行うのが良いです。
逆さ枝
幹に向かって内側に伸びる枝は樹形を乱す原因となるので剪定を行うのが良いです。
懐枝
内部にある小さな枝は、弱く大きくなる見込みが少ないので、剪定を行うのが良いです。
車枝
1か所から数本の枝が放射状にでてくるものは剪定
閂枝(かんぬき枝)
幹の左右、前後の同じ位置から伸びてくる枝は一方を抜いて、交互に枝が生えてくるようにします
平行枝
長さや太さが似たような枝が平行にでてくる場合は、バランスをみて、一方を剪定します。
以上のような枝は樹形の美観的、樹木の健康のことを考えて、切除してあげるといいでしょう。
太い枝の剪定
太い枝を切断するときは、枝と幹の間にある膨らみ(ブランチカラー)を残して、剪定してあげます。
ここの膨らみには、水分や養分などを幹から枝へ受け渡す役割、そして、微生物の増殖を防ぐ役割があります。
ブランチカラーを切除、傷つけてしまうと、傷口から腐りやすくなるだけではなく、樹皮がうまく巻き込んでくれずに、
傷口が塞がりにくくなってしまいます。
生垣の選定方法
生垣は下の方が萌芽力が弱いため、上の幅に合わせて下を刈ってしまうと、下枝が枯れてしまう可能性があります。
その為、下の方から幅を決めて下部は広めに剪定します。
また、綺麗に天端を揃えたい場合は、水糸をはって天端を揃えて刈り込むといいです。
庭木の剪定の基本でした。
(参考文献:造園施工必携 一般社団法人日本造園組合連合会)
和風、和モダンな外構・庭を作るために、日本庭園の伝統技法を知る「竹垣」について
2020年11月6日|category「item」
和風のお庭と聞いて、皆さん何を思い浮かべますか?
松、枯山水、竹林、景石、灯篭などいろいろありますよね。
京都で見るような本格的な日本庭園って、今では、個人住宅に取り入れることは、あまりありませんが、
和モダンな住宅、和モダンな外構、お庭って今でも人気が高いです。
そんな時に、「なんとなく和風な雰囲気」とあやふやなデザインではなく、
ほんの少しだけでも、伝統的な日本庭園の要素をいれるだけでもちゃんと意味があり、
デザインに誇りの持てるお庭、外構になると思います。
ということで、前回の飛び石に続き、今回は、竹垣についてご紹介いたします。
竹垣は様々な種類があるのです。
前回の飛び石についてもぜひご覧ください!
竹垣の起源と歴史
古くから竹という植物は、日本人の生活に親しまれており、しなやかで折れにくく、木材と同様に材料として
かごや、箸、扇子など多様に使われてきました。
平安、鎌倉時代の文書である源氏物語や枕草子の中には、
透垣(すいがい)、たてじとみという言葉で表現された、
竹でできた簾(すだれ)は、竹垣の起源といわれ、竹垣に類するものが作られていました。
安土桃山時代になると、竹垣の存在はより重要なお庭の構成要素となっていきます。
この時代は、茶庭という新しい庭園様式が生まれ、簡素で質素なものを尊ぶ、詫び錆びの文化と、華美過ぎない素朴な竹垣の様子が新しい文化に外せないものとなりました。
江戸時代になると、多くの庭園が造られ、竹垣は口へと広がっていき、様々な工夫が加わった竹垣が生まれていきました。
竹垣の構造
竹垣は種類により構成が変わりますが、
基本として、
親柱・・・両側に立て込む柱 骨格づくりにかかせない
間柱・・・間に立て込み支える柱
胴縁・・・横にながす竹(高さに応じて段数が変わる)
立子(組子)・・・胴縁に竹や竹を取り付ける。
そのほかにも種類により、押縁、玉縁、などがでてきます。
竹垣の種類
竹垣の種類は、用途や見た目により、大きく分けて4つに分類されます。
①透かし垣
②遮蔽垣
③網み組み垣
④枝穂組みの垣
⑤袖垣
分類された種類の中でさらに複数の竹垣があるのです。
現代では個人住宅の庭には人工竹を用いることが多くなっていますが、形は古くからあるものを採用しています。
透かし垣
竹垣の背景が透けて見えることから、透かし垣と呼ばれています。
用途としては、通路と庭の境として使われることが多いです。
四つ目垣、金閣寺垣、龍安寺垣、光悦寺垣、矢来垣があります。
四ツ目垣
透かし垣のなかで、最も一般的な竹垣です。
格子状に竹を組み、四角の目の隙間ができることが、名前の由来です。
高さは大体60~120cm程度のものが多いです。
金閣寺垣
金閣寺に設けられた竹垣がもととなっています。
上部に太い半割竹の玉縁を付けるのが特徴です。
簡素でありながら品格を持ち合わせる形が茶庭にぴったりです。
高さは、50~90cm程度です。
龍安寺垣
京都にある龍安寺にある竹垣がもととされています。
斜めの格子状が特徴的です。
光悦寺垣
京都にある光悦寺のなかにある竹垣がもととなっています。
弧を描く美しい曲線が特徴です。
遮蔽垣
遮蔽垣は、隙間がなく、目隠しの役割を持つ竹垣です。
建仁寺垣、銀閣寺垣、木賊垣、鉄砲垣、御簾垣があります。
建仁寺(けんにんじ)垣
遮蔽垣のなかでも一般的な竹垣です。
京都の建仁寺で作られたという説と、立子という意味の建子垣が変化して建仁寺垣になったという説があります。
木賊(とくさ)垣
割竹を縦に組んだ様子がトクサという植物ににていることから、この名前がつけられました。
緑色の新しい竹垣では、よりトクサに似ています。
押縁を使わずに胴縁に縄で固定する方法もこの木賊垣の特徴の1つです。
御簾(みす)垣
すだれのような見た目をしている竹垣です。
関東の方で多くみられる一般的な竹垣です。
編み組垣
編み組垣は名前の通り竹を編んでつくられる竹垣です。
編みこまれた竹の見た目が華やかです。
大津垣、沼津垣(網代)垣などがあります。
沼津垣(網代垣)
静岡県沼津市の土地からその名前がつけれました。
駿河湾に面する場所は風が強く吹き、その、防風対策としても古くからこちらの竹垣が用いられてきました。
大津垣
江戸時代に大津の道沿いに作られたことからこの名前が付けられました。
横にはしる胴縁に縦や横に交互に編み込んでいくのが特徴です。
地名の名前が付けられた竹垣はこの沼津垣と大津垣の2つだと呼ばれています。
枝穂垣
枝穂垣は竹の幹以外の素材からつくる竹垣です。
竹穂垣、桂垣、藁垣、松明垣、柴垣などがあります。
竹穂垣
竹の枝で作られた竹垣です。
竹の幹で作られたものよりも渋さが増しますね。
袖垣
袖垣は建物から庭に向かって袖状にでた竹垣です。玄関先のちょっとした目隠しなどにつかわれます。
光悦寺垣や建仁寺垣等の形が決まった袖垣もあれば、変わったデザインの袖垣もあります。
袖垣の例です。
創意工夫を施されたデザインのものもあります。
和風、和モダンな住宅づくりにぜひ竹垣をとりいれてみてはいかがでしょうか。
本格的な日本庭園ではなくても坪庭の囲いや袖垣のようにすこしだけ使うのも素敵ですよ。
(参考文献:造園施工必携 一般社団法人 日本造園組合連合会)
八王子市と周辺で外構、お庭ご検討中の方、専門のエクステリア、ガーデンデザイナーに相談してみませんか?
お気軽にお問合せください。
芝生の種類、芝生の植え付け方法、時期、芝生の管理方法について(日本芝メイン)
2020年11月4日|category「planting」
お庭で芝生をご検討中の方、管理が分からない方に向けて、
今日は4つの項目から芝生の説明をしたいと思います。①芝生を植えるメリット
②芝生の種類
③芝生の張り方と時期
④芝生の管理方法
①芝生を植えるメリット
サッカーや野球、ボール遊び等、やわらかい芝生の上は遊び場、スポーツの場としておすすめです。
さらには、バーベキューをしたり、ピクニックをしたり、芝生は多目的なスペースとして活用できます。
自然にはリラックス効果、癒しの効果があります。
また、人工物のなかに植物が入ることにより、美観性も高まります。
土のままにしておくと雑草が生えてしまいますが、芝生を張ることによって、雑草が生えるのを防いでくれます。
100%雑草が生えてこないというわけではありませんので、適宜除草剤を使うことをおすすめいたします。
土のままにしておくと、乾燥した時に、土埃(ほこり)が舞い上がります。
外に置いてある車や自転車等、窓などに、土埃がついてしまいます。
芝生を張ることにより、地面の乾燥を防ぎ、根が土を抱え込むため土埃が舞うのを防ぎます。
コンクリート等の人工物の舗装と比べて、芝生には、日射による地面の照り返しを防ぎます。
その為、夏場は芝生の方が涼しく感じます。
土の状態と比べて、芝生を張っておくことで、雨による地面のぬかるみを防ぎます。
雨の日にお庭に出て、靴が泥で汚れてしまうのは嫌ですよね。
②芝生の種類
日本芝の特徴としては、
・夏型(冬は休眠し茶色くなり季節を感じる)
・ほふく性
・1種類で芝生を植え付ける。
・酸性・アルカリ性 やせた土壌にも耐える(日本は酸性土が多い。)
・踏んでも大丈夫 踏圧に耐える。
・大気汚染や煙害に強い。
・海辺の立地 潮風にも強い。
・病害虫に強い。
・張芝が多い(芽吹くまで待たなくてよい。すぐに、芝生を楽しむことが出来る)
・日陰に弱い。
・湿った場所は苦手とする。
そして、日本芝の中でもさらに分類化すると、
・ノシバ
・コウライシバ
・ヒメコウライシバ
・ビロードシバ
に分類されます。
ノシバは、日本芝の中でも強い性質を持ち手入れが簡単でありますが、最も大型で粗剛で住宅庭園には向きません。
コウライシバ(高麗芝)は、代表的な芝生で、住宅外構で一番よく使われます。ノシバよりも葉が柔らかいです。
ヒメコウライシバは、コウライシバを改良したもので、より、葉が密で繊細で綺麗です。コウライシバと比べて若干金額がかかります。
ビロードシバは、日本芝の中で、最も小型で密で美しいですが、耐寒性や踏圧性に劣り住宅庭園の中では観賞用として扱われます。
西洋芝の特徴としては、
・冬でも緑を保つ種類が多い。
・日陰に耐える種類がある。
・株立ちが多く、芝生の丈が高い。(刈り込む頻度が多い)
・種子繁殖が簡単にできる。
・数種類の西洋芝を混植することが多い。
・日本芝と比べて、水やりの頻度を高くする必要がある。
・日本の酸性土壌に適さない種類が多い。
・高温多湿には弱い
・踏圧は日本芝より劣る
そして、西洋芝の中でもさらに分類化すると、
・バミューダ グラス類
・フェスキュー類
・ベントグラス類
・ブルーグラス類
・ライグラス類
に分類されます。西洋芝は住宅庭園にはあまり使用せず、ゴルフのグリーンやグラウンドに使用されます。
今回はお庭に向く芝生をメインにご紹介したいので、詳しい説明は省きます。
基本的に、お庭の芝生としては、日本芝(コウライシバ、ヒメコウライシバ)がおすすめです。
③芝生の張り方と時期
芝生の植え付け方法は、
・張芝
・植芝
・播芝
に分かれます。
住宅庭園によく使われる、コウライシバやヒメコウライシバ等の日本芝は、ほふく型で結実量が少ないため、
ほとんど張芝で、植え付けていきます。
さらに張芝の張り方の方法にも種類があります。
張り方は3種類あります。
①ベタ張り
隙間なく芝生を張る方法。造成直後に完成された芝生を楽しむことが出来る。
住宅庭園の芝張りはほとんどこの方法で張られています。
②目地張り
1.5cm~3cm程度隙間を空けて、張る方法です。
目地が十字に切らないように互い違いに張ります。
少し時間をかけて隙間にも芝生を覆っていき、完成させます。
③市松張り
名前の通り、芝生を市松に貼っていきます。
時間をかけて、芝生を完成させていきます。
他にも、互の目張り、筋張りなどの張り方があります。
日本芝はの植え付けは、真夏日と休眠期(10月~2月)を避けた時期が適しています。
休眠期にどうしても張る場合は根がきちんと活着するように、適度に芝生を転圧(足で踏む)などをしてあげる必要があります。
こうすることで、冬の霜などで、芝生が浮いてしまい根が活着しないのを防ぎます。
④芝生の管理方法
刈り込みは、芝生の通風と日照の確保をすることにより、病害虫、生長の促進、密度を高めるために行います。
2~3cmの丈が美観的おすすめです。
日本芝では生長が盛んな時期である、5~9月の間(特に7~9月の間)に刈り込みをします。
冬芝である西洋芝では、4~6月、9月~11月に刈り込みをします。
範囲が広い芝生では、芝刈り機を使用することをおすすめします。
目地などの隙間に植えた芝は、手作業でチョキチョキ切ります。
目土かけは年に2回行います。
芝生の張り終わった直後に発根促進のためにまくのと、
3月頃に1回、成長期(4月~9月)の間に刈り込みを行った後に1回行います。
目土かけは芝生全体にむらなく、ふりかけ隙間に入り込むようによく均します。
西洋芝は、3~6月と10~11月が適期です。
芝生の目土かけ用の土がホームセンター等でありますので、そちらを使用することをお勧めいたします。
施肥は、3月と、5月~6月と8~9月の年3回行うのが好ましいです。
芝生専用の肥料がありますので、初心者の方はそちらを使用すれば間違いないです。
ホームセンターの園芸コーナーにあります。
日本芝はある程度乾燥に強いので、根付いてからは、基本的に雨が降れば特別水やりをする必要はありません。
ただし、夏の間は、水分が蒸発しやすいので、昼の暑さを避け、朝に潅水を行うことが好ましいです。
西洋芝は、乾燥に弱く、適宜水やりする必要があります。
芝生は、雑草対策として役割をしますが、
それでも、隙間に入ってくる雑草たちがいます。
そのため、綺麗な芝生を保つために除草する必要があります。
除草に適した時期としては、生長前の梅雨の間に行うことが望ましいです。
除草を行ってから芝生が成長し広がり、雑草が入る隙間を覆ってくれるためです。
芝生専用の除草剤もありますので、そちらを活用するのもいいでしょう。
人が歩き踏みつけられた芝生は、土がどんどん固まってきてしまいます。
そのため、通気性を高め、根の発育を促進させるために土に適度な穴をあけるエアレーションを行います。
夏型の日本芝は、生長する前の3月~6月の間に行うことが望ましいです。
エアレーション専用の器具がありますので、そちらを活用することをおすすめいたします。
日本芝(夏型)の管理時期をまとめた表です。
以上芝生についてでした。
八王子市で外構、お庭、芝生のあるお庭等をお考えの方、お気軽にご相談下さい。
和風、和モダンな外構・庭を作るために、日本庭園の伝統技法を知る「飛石」について
2020年11月1日|category「item」
和風のお庭と聞いて、皆さん何を思い浮かべますか?
松、枯山水、竹林、景石、灯篭などいろいろありますよね。
京都で見るような本格的な日本庭園って、今では、個人住宅に取り入れることは、あまりありませんが、
和モダンな住宅、和モダンな外構、お庭って今でも人気が高いです。
そんな時に、「なんとなく和風な雰囲気」とあやふやなデザインではなく、
ほんの少しだけでも、伝統的な日本庭園の要素をいれるだけでもちゃんと意味があり、
デザインに誇りの持てるお庭、外構になると思います。
ということで、今日はその中でも奥の深い飛び石についてご紹介いたします。
飛び石の起源
飛び石の起源は茶人で有名な千利休が
峠の露頭(岩石や鉱脈の一部が地表に現れている所)をみて
茶庭に取り入れられたとされています。
千利休がお庭に関わっていただなんて意外だなあと
思いますが、
日本庭園の歴史を遡ると、安土桃山時代に成長した
「茶室や露地」の存在、文化(わびさび)がその後の日本庭園にも大きく影響を及ぼしています。
建築様式と文化そしてお庭には結びつきがあるんですね。
飛び石だけではなく、灯篭、蹲踞(つくばい)の茶庭の構成要素が現代の和モダンな庭園にも取り入れられています。
飛び石の意味
飛び石はなぜ茶庭に必要だったのか?
それは、茶室へと向かう道の間に、土や苔で履物が汚れ、
茶室に不浄を持ち込むことのないように対策として取り入れられたためです。
見た目がいいからというだけではなくこのような実用的な理由から飛び石は日本の庭に登場したのです。
造園学の中では有名な、飛石に関する二つの見解があります。
千利休「用を六分 景を四分」
古田織部&小堀遠州「景を六分、用を四分」(千利休の弟子)
飛び石を打つ時に用(歩きやすさ)と景(美しさ)をどの比率で打つべきか、説いています。
実際にこの用と景に対する二つの意見の比較を桂離宮でみることができるそうです。
どちらにしても、飛び石は、茶室にたどり着くまでに、決して、真っすぐではなく
曲がりくねり、景色、そして石の並びを楽しませることで、茶室(茶人、亭主)の世界へと誘導しているということです。
この考えは現在の、個人住宅でも同じ考えです。アプローチは玄関まで行くまでに景色をつくり、入り口が丸見えにならずに曲がりくねるのをよしとされている風潮があります。
もしかしたら日本人の飛び石の文化が、現代のエクステリアデザインまで根強く影響を及ぼしているのかもしれませんね。
反対に外国のアプローチは玄関まで一直線で見せるものが多い気がします。なので、モダンでクールな印象を与えるときに一直線で見せたりします。
飛び石の種類
次に飛び石の打ち方にはどんな種類があるのか見ていきます。
千鳥打ち
千鳥打ちは右左右左・・・と1歩1歩の歩み通りに打つ
基本の打ち方です。
そこから次にご紹介する打ち方が派生していきます。
直打ち
真っすぐに飛び石を据えることを直打ちといいます。
千鳥打ちを基本として、こういったまっすぐの歩みも取り入れます。
二連打ち
右左の千鳥打ちをベースに
2個連続で真っすぐ据える打ち方を二連打ちといいます。
さらに3つ連続でまっすぐ打つ三連打ちや、二三連打ち、四連打ちなどの打ち方に派生していきます。
大曲り
大曲り打ちは大きな弧を描くように打つ手法です。
雁打ち
雁打ちは、3石~4石程度の石を左右にくねくねとさせた
打ち方です。
鳥の雁(がん)の群れが空を飛ぶ様子に似ている事から
この名前が付けられました。
筏打ち
筏(いかだ)打ち
こちらは、短冊石を2枚いれることで、変化を楽しむ飛び石の打ち方です。
切石打ち
自然形の石ではなく四角く成型された切石を用いた飛び石です。
切石は扱いやすいので、現代の庭にも多く取り入れられています。
飛び石の種類は他にもありますが、膨大な量になるため、ここら辺にしておきます。
日本庭園の技法を知り和風の庭をつくる。
和風、和モダンな住宅、外構、お庭をつくるために
日本庭園の伝統的な技法を知ることで、きちんと理由があり意味のあるデザインができます。
なんとなくかっこいいからではなく、こういう理由だからかっこいいと、
きちんと理由の言える外構、お庭づくりがしたいですよね。
それは自慢できる、外構、お庭づくりに繋がります。
以上飛び石についてでした。
(参考文献:造園施工必携 一般社団法人日本造園組合連合会)
新しく更新いたしました。竹垣についてご紹介しています。ぜひご覧ください!
リンク⇒和風、和モダンな外構・庭を作るために、日本庭園の伝統技法を知る「竹垣」について
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お庭・外構の北側 日陰で活躍する樹木14選(低木含む)
2020年10月22日|category「planting」
暗くなりがちな、お庭や外構部分の北側・日陰部分を樹木で雰囲気を変えてみませんか?
樹木は日当たりを良いところを好むものばかりではありません。
環境に適材適所な樹木選びをして素敵な、外構・お庭にしましょう!
日陰で活躍する樹木(低木含む)14選です。
①ソヨゴ(モチノキ科モチノキ/常緑樹)
基本的には日なたを好みますが、日陰でも育ちます。
シンボルツリーにも使える定番の樹木です。常緑樹の中では貴重な繊細な枝葉を持ちます。
成長は遅めなので、管理のしやすい樹木といえます。
②ハイノキ(ハイノキ科ハイノキ属 常緑樹)
西日を避けた、半日陰~日陰を好みます。
ソヨゴと同じく、常緑樹の中では貴重な繊細な枝葉を持つ樹木です。
成長が遅いため、管理がしやすいです。
成長が遅いことから、市場では、金額は高めです。
樹高は5~10mになります。
③シャクナゲ類(ツツジ科ツツジ属 常緑樹)
西日を避けた半日陰~日陰を好みます。
華やかな花を咲かせ、暗くなりがちな、日陰の彩りの1つになります。
④カクレミノ(ウコギ科カクレミノ属 常緑樹)
半日陰~日陰を好み、乾燥にも耐えます。大気汚染にも強いです。
大きな葉が密につけるため、北側の目隠しの樹木としても、おすすめです。
よくみると、写真のように葉の形が3つに裂けるものと裂けない葉があります。
古い葉は緑色から黄色に黄葉します。
⑤ツバキ・サザンカ(ツバキ科ツバキ属 常緑樹)
日なたから日陰まで育つ、花木です。
ツバキは花が丸ごとぼとりと落ち、サザンカは、花びらが1枚ずつ落ちる特徴があります。
冬には華やかな花を咲かせ、暗くなりがちな、日陰の彩りの1つになります。
⑥ハナイカダ(ミズキ科ハナイカダ属 落葉樹)
湿気のある日陰を好みます。樹高は2~3m程度でとどまります。
葉の上に花や黒い実をつけるのが特徴的です。
日陰を好む樹木は常緑樹が多い中、こちらは落葉樹ですので、秋には紅葉し、葉を落とします。四季を感じることが出来ます。
⑦フウリンウメモドキ(モチノキ科モチノキ属 落葉低木)
湿り気のある日陰を好みます。
夏に小さな赤い実をつけ観賞することができます。
成長は遅いので管理が楽です。
⑧アオキ(アオキ科アオキ属 常緑樹)
半日陰~日陰で育ちます。大気汚染にも強いです。
写真のような、斑入りの園芸品種は、暗くなりがちな日陰のお庭を明るく見せてくれます。
また、冬に付ける赤い実も観賞できます。
樹高は、1~3m程度にとどまる低木に分類されます。
⑨ヤツデ(ウコギ科ヤツデ属常緑樹)
日陰に強い代表的な樹木です。
別名テングノハウチワと呼ばれ天狗が持っている羽うちわのような形にみえることから、この名前がつけられました。
樹高は1~3m程度になります。
⑩ナンテン(メギ科ナンテン属 常緑低木)
センリョウ、マンリョウに続きナンテンも古くから縁起物として親しまれている樹木です。
(難を転ずることから)
冬には赤い実を観賞することができます。
⑪イヌツゲ・マメツゲ(モチノキ科 モチノキ属 常緑樹)
小さな葉が密に生えるので、生垣としてよく使われます。
日陰だけではなく、大気汚染にも強いです。
⑫センリョウ(センリョウ科センリョウ属 常緑樹)
正月の縁起物としても有名なセンリョウは、冬に赤い実をつけ楽しむことができる、低木です。
0.5~1m程度に育ちます。
半日陰の水はけのよい湿潤な場所を好みます。
⑬マンリョウ(サクラソウ科ヤブコウジ属 常緑樹)
半日陰の湿潤な場所を好みます。0.5~1m程度の低木です。
赤い実が冬に結実します。
日本で古くから縁起物として、親しまれてきた樹木で、斑入り、葉の色が異なる園芸品種もあります。
センリョウ、マンリョウと一緒に使われますが、科の仲間が違う別の樹木になります。
以上北側日陰で活躍する、樹木14選でした。
エントランス部分には株立ちのソヨゴ、ハイノキを、
お庭部分には四季を感じるツバキや、シャクナゲ等の花木を…
このように暗くなりがちな北側の外構・お庭も植栽次第で雰囲気が変わります。
八王子でお洒落な外構・お庭を作りたい方、専門のエクステリア・ガーデンデザイナーに相談してみませんか?